結婚披露宴で新郎新婦が座るメインテーブルを高砂(たかさご)といいます。
高砂のスタイルは、結婚式の雰囲気によって様々です。
新郎新婦がずっと座っている場所なので、ゲストやカメラマンから写真をたくさん撮られることを考慮して、気合を入れて高砂の演出をするべきでしょう。
今回の記事では、高砂の由来から、最近人気の高砂アレンジ、高砂をソファにする時の注意点など、結婚式を挙げる新郎新婦が知っておきたい高砂の知識をご紹介していきます。
これらの情報を参考にぜひ、どんな高砂にするのか考えてみてください。
目次
結婚式で新郎新婦の席が「高砂」と呼ばれる理由

結婚式の披露宴で新郎新婦が座るメインテーブルを高砂と呼ぶ由来は、能楽の演目である「高砂」という話にあります。
物語は、旅をしている神官が松の美しい高砂の浦(兵庫県)を訪れ、そこに現れた松を掃除する老夫婦と出会うところから始まります。
老夫婦は、この「高砂の浦の松」と「住吉の松」は離れたところに生えている松にもかかわらず、相生の松(2本の木が根元で繋がった松のこと)と言われるほど仲睦まじい夫婦の松なのだと神官に語ります。
その後、老夫婦は高砂の浦と住吉の松の精であることを正体を明かし、小舟に乗って消えていくのです。
能楽の「高砂」は長年おめでたい演目とされてきたことや、老夫婦の愛し合いながら共に老いていく姿にちなみ、結婚式で夫婦の座る席を高砂と呼ぶのです。
最近の高砂スタイルはバリエーション豊富!

一昔前まで、高砂の定番は、ゲストより一段高くした場所に、金屏風をバックに白いクロスのテーブルを置くものでした。
しかし、2000年代以降は、結婚式のスタイルが多様化する中で、高砂の配置やデザインも様々になってきました。
今は、高砂の位置を一段高くしたところに置くのではなく、ゲストと同じ目線に置いて、ゲストをおもてなしする心を表す新郎新婦も多いです。
ご年配の親族が中心である結婚式は、親族のために格式高い昔からの高砂スタイルで行い、友人が中心である式は新郎新婦の個性を打ち出したアレンジスタイルにするのがおすすめです。
自分たちの趣味趣向とゲスト層を照らし合わせ、ぜひみんなが幸せに過ごせる空間作りをしてください。
結婚式を華やかに!高砂アレンジのアイデア

ここまでで、高砂のスタイルは多様化しているとお伝えしました。
ここから、高砂をどんな風にすてきに飾り付ける方法があるのか、高砂アレンジのアイデアをご紹介していきます。
フラワーデコレーション
高砂を装花でいっぱいに飾る華やかなスタイルは、現代の結婚式では定番です。
テーブルの縁を、溢れんばかりに装花でデコレーションすると、高砂でゲストとの写真撮影する時にもとても写真映えします。
落ち着いたクロスに合わせて、緑を多めにしたり、真っ白の花で統一したり、お色直しのドレスと色をコーディネートしたりと、花の種類や色で雰囲気も変わってきますよ。
ただ、装花の量を増やすと値段も高くなり、高砂の花だけで10万円ほどになってしまうこともあるので、金額を考えながらデザインしましょう。
チュール
糸を網目上に折って作る、ふんわりした生地をチュールといいます。
柔らかく優しい印象のチュールを高砂から垂らす、チュール高砂も人気です。
チュールでデコレーションした高砂は、まるでドレスかケーキのようで、とても結婚式らしい雰囲気が出ます。
チュールは色により「白は神聖な印象」「パステルのピンクや黄色は可愛らしい印象」「淡いグレーや深いグリーンは大人っぽい印象」と変化しますから、式のテイストと合わせて選びましょう。
ソファ
最近では高砂をソファにして、テーブルを置かない新郎新婦も多いです。
ソファを高砂にする場合、新郎新婦がゲストと同じ目線に座るので、アットホームな雰囲気になります。
ソファの周りに装花や小さなテーブルを置いたり、ソファの上もクッションなどで寂しくないように飾ります。
高砂をソファにすると、新郎新婦の衣装がテーブルで隠れずに見えるので、「ぜひ衣装をよくみてもらいたい!」という新郎新婦におすすめです。
ウェディングドール
ウェディングドールとは、2体のぬいぐるみに新郎新婦の衣装を着せたものです。
テディベアが定番で、ウェルカムスペースに飾られることが多いです。
このウェディングドールを、高砂テーブルの中央に飾るカップルもいます。
装飾として飾るのではなく、新郎新婦が中座する際に、ウェディングドールを新郎新婦の代わりに高砂に座らせておくのも、可愛らしい演出でおすすめです。
バルーン
高砂の周りをバルーンで飾ると、ポップで可愛らしい印象になります。
テーブルの上はバルーン単体ではなく、装花の中にバルーンを混ぜ込むのが、豪華に見せるコツです。
テーブル上の装飾に加え、左右や背景にもバルーンを設置すると、簡単に豪華な空間が生まれます。
人気のソファ高砂にするなら、ここは気をつけて

ソファ高砂は、通常のテーブルと椅子がある高砂とは、少し勝手が違います。
結婚式場にソファが用意してあり、式場スタッフもソファ高砂の披露宴に慣れている式場ではなく、自分たちでソファを搬入しなければならない式場では、特に注意が必要です。
ここからソファ高砂にする際のリスクをご紹介していきますから、ソファを準備する時には、気をつけてください。
会場の後ろから新郎新婦が見えづらい
高砂がソファだと高さがなく、広い会場ほど後ろの席から新郎新婦の姿がよく見えないでしょう。
後ろの席に座るのは親族であることが一般的ですが、親族に自分たちの晴れ姿をよく見てもらえないのは残念ですよね。
自分たちをしっかり見てもらうには、席の配置やソファを少し高くするなど、後ろの席からも新郎新婦の姿が見えるように工夫してあげることが大事です。
もしどうしても見え辛い席ができてしまうなら、自分たちからゲストの席を巡る演出を多く取り入れましょう。
足元が丸見え
高砂をソファにすると、足元を隠すものが何もありません。
衣装をよく見てもらえるというメリットもありますが、それは足元が丸見えになるということです。
ゲストに見えることを前提に靴までこだわって選び、座り方も気を抜かないように気をつけましょう。
食事がとれない
テーブルを置かずソファ席に座る場合、新郎新婦の食事を置く場所がないので、式の最中に食事をすることはできません。
サイドテーブルを置けば、そこに食事を用意してもらうことができますが、通常より食べにくくはなるでしょう。
食べられなかった分は披露宴の後で食べさせてもらえるのか、交渉しておきましょう。
また、食べ物が置けなくても最低限、ドリンクをおく場所は作っておきましょう。
飲み物を捨てるバケツが置けない
披露宴の最中は、たくさんのゲストが新郎新婦にお酒をつぎに来ます。
それを全て飲むことはできないので、高砂の下には飲み物を捨てるためのバケツが置いてあります。
しかし、ソファは足元を隠すものがないため、さりげなく飲み物を捨てられるバケツを置けないのが難点です。
ソファの後ろなど見えないところに置くか、飲み物が入ったグラスを頻繁にスタッフに交換してもらうなど、スタッフと相談して工夫をしましょう。
飲み物を捨てられないならば、ゲストからお酒を進められた時は気持ちだけ貰って、お酌は断っても良いでしょう。
まとめ

結婚式で新郎新婦の座るメインテーブルは、おめでたい能楽の演目にちなんで高砂と名づけられています。
近年では高砂を、いろいろなスタイルに装飾するカップルが増えています。
昔から定番となっている金屏風の前に座るスタイルは格式が高い式にぴったりで、もっと砕けた式ならチュールやバルーンなどでデコレーションした高砂がぴったりでしょう。
最近流行なのはソファスタイルの高砂で、ゲストと近いアットホームな雰囲気になります。
高砂をソファにする時は、この記事でご紹介した注意点をチェックして、ソファのメリットを最大限に活かした式にしてくださいね。