結婚式の定番演出としては、キャンドルサービス、新婦のお手紙朗読、友人スピーチ、そしてブーケトスなどいくつかの耳慣れたものが思い浮かぶのではないでしょうか。
実はこの中の「ブーケトス」を実際に結婚式に取り入れる新郎新婦カップルの割合は全体の2割ほどと言われています。
誤解しないでくださいね!ブーケトスは本当に定番演出でしたし、人気があって盛り上がる演出のひとつだったのは本当です。
私はこれまでウェディングプランナーの経験を通し、たくさんの結婚式に関わってきましたが、やはりブーケトスをおこなう新郎新婦の数は多くありませんでした。
皆さんはこの理由が分かりますか?
今回はブーケトスの人気が下がってしまった理由と、代わりにおすすめできる演出についてお話します!
目次
ブーケトスの本来の意味をおさらいしよう

ブーケトスは、昔々イギリスではじまった結婚式の演出です。
花嫁の持ち物をもらうと縁起がいい、次に結婚できるなどと言われており、その延長で花嫁がもつブーケをゲストにプレゼントするという文化が生まれました。
ブーケはいくつもあるものではありません。
公平に「誰かラッキーな人がもらえる」ようにするため、花嫁は後ろ向きになりブーケを投げるようになったのです。
受け取ったラッキーな女性は「次の花嫁になれる」と言われていて、女性ゲストはこぞってこれをもらいにいくわけです。
日本でもこのブーケトスは一般的な定番演出として流行し、挙式が終わった後や披露宴の途中お庭に出たときなど、様々なタイミングでこのブーケトスがおこなわれてきました。
ブーケトスをおこなうことによるリスクを考えよう

結婚式の打ち合わせをしていると、「ブーケトスってやるものですよね、普通」と言われることが多いです。
皆それぞれに「結婚式はこうやるべき」という結婚式の定番のイメージを持っていて、そこにブーケトスが含まれていることが圧倒的に多いようです。
このときにプランナーとしては、「ブーケトスはもちろん人気のある演出ですが、近頃ではブーケトスをしないケースの方が実は増えているのです。
「〇〇さんはブーケトスをされたいですか?」と聞きます。
すると割と多くの人たちがブーケトスに対していろいろなリスクを懸念していることが分かります。
リスク①:結婚願望のない独身女性を不快な気持ちにさせる
結婚していないからと言って、その女性たちが結婚したいと思っているかは分かりません。
近頃では自立した女性が増えてきていることもあり、結婚を女性の幸せとして考えていない人たちも増えています。
ブーケトスをするときには、独身女性たちをその場に集めることになります。
このときに、「結婚願望のない女性ゲスト」をあえて除外するのも不自然ですし、だからといってブーケトスに参加してもらうのもなんだか違和感があります。
参加する側の立場で考えても、自分に結婚願望がまったく無ければ「うーん、ブーケもらっても微妙だし…」と言う気持ちになってしまうでしょう。
リスク②:誰が独身なのかが一目瞭然になってしまう
特に、花嫁が30歳を越えている場合には、「自分が独身であることを公表されるのが嫌だ」と感じる同年代の友人ゲストも多いでしょう。
気にしない人もいれば気にする人もいます。
ブーケトス演出の際には、独身の女性ゲストがそこに集まるために、他のゲストから見ても「この人たちは結婚していない女性たちなんだな」と一目瞭然になってしまいます。
リスク③:そもそも独身女性の友達が少ないために目立ってしまう
花嫁の友人ゲストがほとんど既婚者である場合には、ブーケトスは非常にやりづらくなってしまいます。
例えば15名ほどいる友人ゲストの中に、未婚の友人がわずか4名しかいないとしたらどうでしょう。
ブーケトスの際にはその4人に出て来てもらうことになりますが、この見え方はあまり良いものではありません。
未婚の友人が既婚の友人よりも多い場合はまったく不自然ではないでしょう。
もしくは花嫁の年齢が若く20代前半などであれば、その年齢で未婚であっても「知られたくない」と思う人は少ないでしょうし、周りも何とも思いません。
ですが、極端に独身女性が少ない場合は変に目立ってしまうリスクを考えなければいけません。
ブーケトスの代わりになるおすすめ演出3つ

ブーケトスをすることで先ほどお話ししたようなリスクを考えなくてはならなくなるなら、ブーケトスではなく違う演出を考えるのがおすすめです。
ここではブーケトスの代わりにおすすめできる3つの演出を紹介したいと思います。
おススメ①:ブーケのサプライズプレゼント
「独身女性を集めておこなうブーケトスがちょっと微妙…」と感じる場合には、特定のお友達もしくは女兄弟にブーケのサプライズプレゼントがおすすめです。
この演出は、お色直しの退場のタイミングでおこなうのが自然ですね。
このときは誰かにエスコートしてもらい一緒に退場するのが一般的。
そのエスコート役に親友や妹を選び、退場演出の際にあわせてブーケをプレゼントすることで、きっとその場も盛り上がりますし、何より受け取った本人も喜んでくれるでしょう。
おススメ②:ブーケでないもので〇〇トス演出
ブーケトスの場合、独身女性のみを対象としなければならなくなります。
それではブーケではなく何か別の物をトスする演出はいかがでしょうか。
キャンディを可愛くラッピングしてブーケの形にしたキャンディトスや、子供ゲストが多い場合には子供たちにぬいぐるみトスをおこなうのも素敵です。
ポイントは、「対象を独身女性に絞らない点」にあります。
結婚式はハッピーなイベント。
その主役である新郎新婦から幸せのおすそ分けをするのなら、その対象は独身女性に限定するのではなく、全てのゲストにした方が良いと考えるのも自然ですよね。
おススメ③:ハッピードラジェ演出
ブーケトスからは離れてしまいますが、こちらも幸せのおすそ分けという意味では変わりありません。
ハッピードラジェ演出では、デザート時に振舞うウエディングケーキの中にドラジェを仕込んでおいて、そのドラジェが当たった人にプレゼントを用意するというもの。
完全にランダムにして、誰が当たるか分からないようにするのもアリですが、あらかじめ当たりを引く人を決めておくのもひとつの方法です。
どちらでも好きな方を選びましょう。
ブーケトス演出はマストではないけれど歴史と伝統のある演出には変わりない

ブーケトスの演出は結論から言うと、するもしないもあなた次第です。
少しでも「ちょっと微妙かもしれないな」と思うようであれば、やめておいてもいいかもしれません。
ブーケトス以外にもゲストに参加してもらえる「幸せのおすそ分け演出」は可能です。
他の方法を考えてみましょう。
ここではブーケトスをおこなう場合のリスクにフォーカスしましたが、ブーケトス自体は古くから伝わる歴史ある演出であるのは事実です。
特にリスクが気にならないのであれば、やはり絵になる演出でもあるので積極的に取り入れていきましょう!
まとめ

結婚式には固定観念がついてまわるため、「あの演出はやったほうが良いんだろうな」などという「〇〇すべき」的な考え方になってしまいがち。
ブーケトスに関してもそれは同じことです。
しかし、決めるのは結婚式をおこなう新郎新婦です。
ひとつひとつの演出を取り入れるか取り入れないかは、おふたりが満足できるように決めていって問題ありません。
一生に一度の結婚式です。後悔のないように取り入れる演出にはしっかりとこだわっていきたいものですね。
