当日や前日にリハーサルをすることはあっても、急に流れを覚えるのは難しいものです。
挙式や披露宴の基本的な流れを知っていれば、当日になって「次はなんだっけ?」と考えることもなく、落ち着いて結婚式を進めることができるでしょう。
また、打ち合わせの時に流れが頭に入っていると「ここにこの演出を入れたい」など、プランナーに相談しやすくなります。
そこで今回は、教会式・神前式・人前式・披露宴の基本的な流れをご紹介します。
教会式は当日どのような流れ?

まず、挙式スタイルとしてもっとも多い、教会式の流れをご紹介します。
一般的な教会式(キリスト教式)は20〜30分ほど。
司式者が進行をするので、暗記する必要はありません。
開式の辞
牧師や神父(司式者)が、結婚式を開式することを宣言します。
新郎新婦入場
ゲストが起立し、新郎が入場します。
ゆっくりと一歩ずつ進み、祭壇の前まで来たら新婦を待ちましょう。
次に、新婦が父親にエスコートされて入場します。
入場前にベールダウンの演出を入れてもステキですね。
ウェディングステップでゆっくりとバージンロードを進み、祭壇の前に到着したら父親は新郎に娘を託します。
賛美歌斉唱
列席者全員で賛美歌を歌い、歌を通じてお祈りをします。
聖書の朗読と祈り
司式者による聖書の朗読。
ほとんどの教会式で新約聖書の「コリントの人々への第一の手紙 第13章、第4〜第8節」が読まれます。
朗読後、神に祈りを捧げます。
誓いの言葉
牧師が新郎新婦それぞれに、「あなたはここにいる◯◯を、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、妻として愛し敬い、慈しむ事を誓いますか?」と問いかけます。
問いかけられたら、「はい、誓います」と返しましょう。
指輪の交換
結婚の誓いをした証として、指輪の交換をおこないます。
新婦はグローブを外し、ふたりで向き合います。
運ばれてきた結婚指輪を新郎が新婦の指にはめ、次に新婦が新郎の指にはめます。
姿勢が悪くならないように意識しましょう。
ベールアップ・誓いのキス
新郎がベールアップをし、誓いのキスをします。
一説によると、ベールは新郎新婦を隔てる壁であり、ベールアップをすることで壁をなくしてふたりが結ばれたことを表すのだそうです。
結婚成立宣言
ふたりが夫婦となったことを、司式者が宣言します。
結婚証明書への署名
結婚証明書に新郎新婦それぞれが署名し、続けて証人か司式者が署名をします。
閉式の辞
司式者からふたりの結婚が成立したことが宣言され、閉式が伝えられます。
新郎新婦退場
退場の際、新郎新婦はふたりで腕を組んで退場をします。
神前式は当日どのような流れ?

神前式は30分ほどで終了します。
今回は神前式の一例をご紹介しますが、神社や式場によって多少流れが違いますのでご注意ください。
参進の儀(さんしんのぎ)
雅楽が演奏され、その中を斎主と巫女に先導されながら本殿に進みます。
参進の儀は「花嫁行列」と呼ばれ、神前式を選ぶ花嫁が憧れる儀式です。
入場をしたら、神前に向かって右に新郎、左に新婦が座ります。
修祓(しゅうばつ・しゅばつ)
全員が起立し、斎主が祓詞(はらえことば)を奏上し、儀式の参加者全員にお祓い(おはらい)をする。
祝詞奏上
斎主がふたりの結婚を神様に報告し、祈りの言葉を読みます。
三献の儀(さんこんのぎ)
三献の儀は新郎新婦が3種類の大きさの盃(さかずき)を使用してお神酒を酌み交わします。
もともとは、
- 一盃 新郎→新婦→新郎
- 二盃 新婦→新郎→新婦
- 三盃 新郎→新婦→新郎
の順に一盃で3回、それを3つの盃で行うことから三三九度とも言われます。
現在は、
- 一盃 新郎→新婦
- 二盃 新婦→新郎
- 三盃 新郎→新婦
このように省略されることが多くなっています。
神楽奉納(かぐらほうのう)
神楽奉納は巫女舞とも呼ばれ、巫女が神様に奉納する神楽を舞います。
神社によっては神楽奉納がないところも。
誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎、もしくは新郎新婦のふたりが誓いの言葉を読み上げます。
内容は、
- 神様への結婚報告
- 夫婦の誓い
- 締めの言葉
このような構成となっており、用意してもらったものを読むか、自分たちで作りましょう。
玉串奉奠(たまくしほうてん・たまぐしほうてん)
榊(さかき)という木の枝に、紙垂(しで)を結びつけたものを玉串と呼びます。
玉串を斎主から渡されたら、神前に進み祈りを捧げてから、玉串案と呼ばれる台に玉串を置きます。
親族杯の儀(しんぞくはいのぎ)
参加者全員が盃のお神酒をいただきます。
両家の縁を結ぶという意味があります。
斎主祝辞(さいしゅしゅくじ)
斎主が結婚の儀が終了したことを神前に報告します。
退場
全員で退場をします。
人前式は当日どのような流れ?

人前式は自分たちで自由にアレンジできるので、追加の演出を組み込んだり、やりたくない演出があれば無くしてしまってもOK。
まずは基本的な流れを確認しておきましょう。
新郎新婦入場
人前式は新郎新婦ふたりで入場してもOKですが、新郎が先に入場し、新婦は父親と入場することもあります。
開式宣言
司会者が結婚式の開式を宣言します。
誓いの言葉
誓いの言葉を読み上げます。
- 新郎が読む
- 新郎新婦ふたりで読む
- 友人などゲストに問いかけてもらう
など、誓いの言葉の進め方もさまざまです。
指輪交換
教会式と同様に、新郎から新婦へ、新婦から新郎へと指輪をはめます。
結婚誓約書や婚姻届にサイン
結婚誓約書、もしくは婚姻届に署名し、続いてゲストの代表者が証人欄に署名します。
結婚の承認
司会者が署名された結婚誓約書、もしくは婚姻届をゲストに向けて披露し、ふたりの結婚を宣言します。
閉式の言葉・退場
司会者が閉式を告げ、新郎新婦が退場します。
披露宴会場で人前式をする場合は、退場せずそのまま披露宴へと移行します。
披露宴はどんな流れ?

披露宴で一般的な流れをご紹介します。
新郎新婦入場
新郎新婦が入場します。
開宴の言葉
司会者が簡単に自己紹介をし、開宴を宣言します。
新郎新婦の紹介・ウェルカムスピーチ
司会者が新郎新婦の簡単な紹介をします。
その後新郎、または新郎新婦がウェルカムスピーチをおこなうことも。
主賓あいさつ
新郎主賓、新婦主賓の順にスピーチをおこないます。
乾杯
来賓代表があいさつをし、乾杯の発声をします。
全員が起立して乾杯をし、料理の配膳がスタートします。
ケーキ入刀
ケーキ入刀をおこないます。
続いて、
- 新郎新婦が食べさせ合う「ファーストバイト」
- 親が子への最後のひとくち「ラストバイト」
- 新郎新婦から親やお世話になった人へ「サンキューバイト」
などの演出を入れるカップルも多くいます。
和装でケーキ入刀はしたくない場合など、鏡開きをしてゲストに日本酒を振る舞うのがオススメです。
新婦新郎中座
新婦が先にお色直しで中座をします。
少し時間をあけて新郎が退場。
エスコート役は誰を指名してもOKです。
歓談
新郎新婦が中座している間は歓談の時間となります。
その間にプロフィールムービーを上映するなど、飽きさせない工夫をしましょう。
新郎新婦再入場
ここから、披露宴の後半がスタートします。
前半はスピーチなど形式的なものが多い分、後半はゲストに楽しんでもらうことに重きをおきましょう。
再入場では、
- キャンドルサービス
- フォトラウンド
- ダズンローズ
などさまざまな演出を取り入れることが可能です。
イベント・余興
ゲームをしたり、ゲストのスピーチや余興をおこないます。
花嫁の手紙
ここから披露宴の終盤に入ります。
花嫁の手紙は、花嫁から親への感謝の手紙を朗読。
自分でどうしても読みたくない場合は、司会者に読んでもらったり、ムービーにしてもいいでしょう。
花束・記念品贈呈
新郎新婦それぞれが、相手の親へ花束や記念品を贈ります。
代表謝辞
新郎の父親が謝辞をおこなうのが一般的です。
最近では新郎が謝辞をおこなうことも増えています。
出席してくれたゲストに向けてお礼を述べましょう。
新郎新婦退場
新郎新婦退場後、両家両親も退場します。
エンドロールを流す場合は退場後となります。
閉宴の言葉
司会者が閉宴の辞を述べます。
その後ゲストが退場します。
ゲスト退場・お見送り
新郎新婦は出口でゲストのお見送りをします。
ひとりひとりにプチギフトを渡しながら、出席してくれたことへのお礼を言いましょう。
結婚式当日に新郎新婦はどのような流れで動くの?

ここまで、挙式と披露宴の流れをご説明しました。
では新郎新婦は当日、どのように行動するのでしょうか。
新郎新婦の動きは以下のようになります。
- 結婚式場到着
- 新婦から支度開始
- 新郎の支度開始
- 支度完了後に挙式のリハーサル
- 写真撮影
- 親族紹介
- ゲストの入場を待ち挙式の開始までスタンバイ
- 挙式開始
- 挙式終了後に予定されていればアフターセレモニー
- ゲストが披露宴会場へ移動するまでスタンバイ
- 入場、披露宴開始
- 中座、お色直し
- 再入場
- 退場、披露宴終了
- お見送りの準備、お見送り
このような流れで新郎新婦は動きます。
どのように動くかを知っておくと、当日慌ててしまうこともないでしょう。
当日はアテンドしてもらえるため細かく記憶しておく必要はありませんが、演出も含めて大体の流れをイメージしておきましょう。
まとめ

今回は、教会式・神前式・人前式・披露宴の基本的な流れをご紹介しました。
挙式はスタイルによって内容は違いますが、覚えておくと打ち合わせにも役立つでしょう。
教会式は、
- 開式の辞
- 新郎新婦入場
- 賛美歌斉唱
- 聖書の朗読と祈り
- 誓いの言葉
- 指輪の交換
- ベールアップ・誓いのキス
- 結婚成立宣言
- 結婚証明書への署名
- 閉式の辞
- 新郎新婦退場
このような流れとなり、神前式は、
- 参進の儀
- 修祓
- 祝詞奏上
- 三献の儀
- 神楽奉納
- 誓詞奏上
- 玉串奉奠
- 親族杯の儀
- 斎主祝辞
- 退場
このような流れとなります。
神前式は神社や式場によって式次第の順序や内容が多少変わることがあるので注意してください。
自由度の高い人前式にも基本となる形はあり、
- 新郎新婦入場
- 開式宣言
- 誓いの言葉
- 指輪交換
- 結婚誓約書や婚姻届にサイン
- 結婚の承認
- 閉式の言葉・退場
特にこだわらなければ、このような流れでおこなうことになるでしょう。
披露宴の流れはごく一般的なものですので、演出などを組み込んでふたりらしさを出してみましょう。
披露宴では、前半はウェルカムスピーチや主賓挨拶、乾杯の発声などスピーチが続きます。
後半でイベントや余興、花嫁の手紙などがあるので、後半の内容の方がアレンジしやすいでしょう。
新郎新婦の当日の動きは、
- 結婚式場到着
- 新婦から支度開始
- 新郎の支度開始
- 支度完了後に挙式のリハーサル
- 写真撮影
- 親族紹介
- ゲストの入場を待ち挙式の開始までスタンバイ
- 挙式開始
- 挙式終了後に予定されていればアフターセレモニー
- ゲストが披露宴会場へ移動するまでスタンバイ
- 入場、披露宴開始
- 中座、お色直し
- 再入場
- 退場、披露宴終了
- お見送りの準備、お見送り
このような流れになります。
流れを簡単に覚えておくと、当日慌てずにすむかもしれません。