結婚式にかかる費用総額は、平均で377.9万円かかるというデータがあります(『ゼクシィ結婚トレンド調査2019』より)。
かなりの大金を払わなくてはならない結婚式で、費用が足りない新郎新婦への助けとなるブライダルローンという仕組みがあります。
しかし、よく考えずになんとなくブライダルローンを利用すると、後々に困ったことになる可能性もあります。
今回の記事では、ブライダルローンの基本的な仕組みと、注意するべき点、ブライダルローン以外の資金不足の解消法をまとめていきます。
ブライダルローンを検討している人は、この記事を読み、一度ゆっくり考えてから利用するのかを決めてくださいね。
目次
他のローンとなにが違う?ブライダルローンの特徴

「ローン」とは、まとまったお金を借り、分割で返済していく仕組みのことを言います。
代表的なのはカードローンで、用途に関わらずATMでお金を引き出し、その後、分割でATMに入金することで借りたお金を返済できるシステムです。
ローンには他にも種類が様々ありますが、ここからブライダルローンの特徴を大きく3つに分けてご紹介します。
結婚に関する資金のみ借りられる
ブライダルローンは、借りたお金を使う用途が限定されています。
基本的には結婚式費用と新婚旅行に使え、ローン会社によっては他に結婚指輪・婚約指輪・結婚後の新生活のためのローンも組めるようになっています。
借りた資金が結婚に関係することに使われると証明するために、見積もり書や請求書などの書類を提出する必要もあります。
書類が提出できないと、ブライダルローンとしての借り入れができないため、必ず用途と金額を証明する書類を取っておきましょう。
用途が限られているために、多めに借りて、他の費用にお金を回すことはできません。
金利が低い
ローンの金利は会社や種類によって異なりますが、一般的にカードローンと比べ、ブライダルローンの金利は低いです。
カードローンは借りる金額が小さいほど金利が高くなり、金額が大きいと金利が低くなる仕組みで、一般的には3~18%の間で推移します。
しかし、ブライダルローンは借りる額に関わらず金利が一律のところが多く、4~7%に設定されています。
金利が高ければ、借りた額に対し返済金額は多くなるため、出来るだけ低い金利で結婚資金を借りるには、カードローンよりブライダルローンを使うべきでしょう。
審査が厳しい
比較的に金利が低いブライダルローンですが、カードローンに比べると審査は厳しいと言われています。
それぞれの金融機関の審査基準は、明確には周知されていません。
しかし、安定した収入が得られる正社員か、信用情報は問題ないか、他の金融機関からの借り入れがないかが重視され、他にも年収、勤続年数などが影響するのが一般的です。
審査の結果、返済能力があると判断されれば、融資が受けられます。
これらの審査を満たさない場合、結婚式で得るご祝儀で返済できる見込みがあっても、融資を受けることはできません。
ブライダルローンを申し込むのに必要な書類は?

ブライダルローンを組む際には、必要な書類を揃えて提出しなくてはいけません。
書類の種類は最低3つになります。
ここから、準備する書類について説明していきましょう。
本人確認書類
申し込みをするのが本人であることを証明する1点、または2点の書類が必要です。
金融機関により、どの書類なら本人確認書類として認められるのは違ってきますが、主に
- 住民票の写し
- 印鑑証明
- 運転免許証
- パスポート
などが適用されます。
収入証明書類
自身の収入がわかるような書類が、収入証明書類です。
こちらも、金融機関によって何が収入証明書類として認められるのかは微妙に異なりますが、主に
- 勤め先の会社が発行する源泉徴収票
- 市町村の役所が発行する所得証明書
- 確定申告書の写し
が収入証明書類になります。
他にも、直近数ヶ月の給与明細を提出すれば収入証明書類として認められる場合もあります。
資金使途確認書類
ブライダルローンは、結婚に関する事柄に限って資金の融資を受けられる制度ですから、借りたお金がどこに使われるのか証明する必要があります。
それが、資金使途確認書類です。
具体的には、結婚式やハネムーンなど、結婚に関する融資を受けたい物事の見積書、請求書、予約確認書です。
書類には、
- 支払先
- 金額
- 支払対象者名
- 利用目的
- 作成日
が記載されていることが条件です。
また、融資を受け、支払いが終わった後にも、融資をその目的で使ったと証明するための領収証や振込控を提出します。
ローン制度は返済期間によって、返済金額が変わる

ローンの返済で払う金額は、「借り入れ額+利息」です。
利息がいくらになるのかは「借り入れ額×金利÷365×返済日数」の式で計算することができます。
例えば、金利が7%で100万円借りて3ヶ月(90日)で返済する場合、100万×0.07÷365×90日=1万7260円になり、返済金額は101万7260円です。
もし6ヶ月(180日)で返済するのなら利息は、100万×0.07÷365×180日=3万4520円となり、返済金額は103万4520円になります。
計算からもわかるように、返済期間が長いほど利息が高額になるので、ブライダルローンを利用する際は出来るだけ早く返済するよう計画しましょう。
利用する前に知っておきたいブライダルローンの落とし穴

「ブライダルローンは金利が低い」と言ってもローンに変わりはなく、必ず借りた額より返す額の方が大きくなります。
また、結婚後は新生活の資金や妊娠・出産・子育てなど、結婚前以上にお金がかかることは増えます。
月々の返済額で家計が苦しくなるかもしれません。
もし、返済が追いつかない場合、別の金融機関から返済費用を借り入れし、ローン地獄に陥る可能性もあることを忘れてはなりません。
もしブライダルローンを組む場合は、パートナーとよく話し合い、返済する計画をしっかり立ててから申し込むようにしましょう。
ブライダルローン以外の、費用不足の対処法

ブライダルローンを利用するには、落とし穴があることをご説明しましたね。
では、結婚費用が足りない時、ブライダルローンを使わずに切り抜けるには、どんな方法があるでしょうか。
ブライダルローン以外の例をご紹介していきます。
親族からお金を借りる
親、または親族からお金を借りる場合、利息は発生しないため、借りた額だけの返済で済みます。
借り入れ額が大きければ、ブライダルローンの利息は数万円になるので、その分を浮かせることができるのは嬉しいですね。
きちんと返済できなければ、今後の関係が悪くなったり、法的な措置を取られる可能性もあるので、親族から借金をする時も、借りる段階で返済の見通しはしっかり立てましょう。
挙式のみの結婚式にする
結婚式の平均総額377.9万円のうち、挙式料の平均金額は39.5万円です(『ゼクシィ結婚トレンド調査2019』より)。
披露宴を行わず、挙式のみの結婚式にすることで、費用は大幅に抑えることが出来ます。
披露宴はできなくても、挙式をこだわったものにすることで十分思い出に残る式になりますから、費用が足りない時は挙式のみの結婚式も検討してみてください。
結婚式のランクを下げる
披露宴を諦めたくないなら、全体のランクを少しずつ下げることで、足りない分の費用を抑えることができます。
披露宴は、日頃お世話になっている人へ、結婚の報告とおもてなしをする場です。
費用を抑える場合、食事や引き出物といったゲストに関わる部分ではなく、まずは衣装や装花など、ゲストへのおもてなしから遠いところを妥協していくべきでしょう。
ゲストを招待する前に費用不足が発覚したのでしたら、ゲストの人数を減らし、小さな会場にすることでも費用を抑えられます。
まとめ

ブライダルローンは、結婚に関連する資金の借り入れをできるローンシステムです。
カードローンと比べて金利が低いのが特徴ですが、ローンですので、借り入れ額よりも返済額は多くなります。
もし、利用する場合は返済の見通しをつけて、計画的に利用しましょう。
ブライダルローン以外にも、費用が足りない時には
- 親族からお金を借りる
- 挙式のみの結婚式にする
- 結婚式のランクを下げる
などの対処法で乗り切ってください。